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伝統や歴史の前に「今」を生きるモントリオール。そんなこの街のダンス界にも数十年前、レボリューションがあった。1968年に Nouvelle Aireというグループを設立した MARTINE EPOQUE。創作の自由と主体性を基盤とし、ケベック独自のムーブメントを模索した。EDOUARD LOCK, GINETTE LAURIN, PAUL-ANDRE FORTIER, LOUISE BEDARD, DAVID SOULIERE等このグループに関わったパフォーマーたちは実際に自分自身のスタイルを築き、ケベックを代表する個性的な振付家として現在進行形で活躍している。 MARTINE EPOQUEはその後UQAMのダンス科や劇場 l'Agora de la danseの設立に力を注いだ。そんなケベックモダンダンスの核とも呼べる彼女の新作 "Tabura Rasa"。この作品、MONAというバーチャルダンサーと20人のUQAMダンス科の学生たちにより演技された。そう、MARTINE EPOQUEの革命精神は60年代で途切れてはいない。マルチメディアに興味をもつ彼女、ここ十数年の間に "LIFEanimation"というワードプロセッサーならずジェストプロセッサーを某研究所の協力を得て開発したのだった。バーチャルアイドルなど日本では馴染みのあるテクノロジーだが、ここケベックのダンス界でお目にかかるのは初めてだった。構想する人は数多いとしても、それを実現するのは金策を始め多大なパッションと信念を要することだ。そんな感慨をよそにしても、20人プラス1人の群舞は幾何学模様のようにみえつつ人間的でもあり、非常に計算された作品だった。ちなみに「電子振付」に賛同する既存振付家はまだ少なく、現在EDOUARD LOCKのみとのこと。 さて、先月の読者プレゼントに当選された方々とご一緒した SARAH WILLIAMS / STEPHANE BOKOの公演。今回は二つのソロで、2アーティスト等身大のユニバースや表現力を比較することができた。招待者たちにとって、コンテンポラリーダンスの美的かつ知的な世界をいつかまた訪れるきっかけとなったことを願いつつ。 |
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日 程:Wed.1.23.2002 - Sat.1.26.2002, Wed.1.30.2002 - Sat.2.2.2002 8:00pmカンパニー:Danse-Cite 演 目:Projet Celebration / formule Interpretes 14 写 真:Danse-cite 劇 場:Agora de la Danse 料 金:$23, 学生$16 創設20年を記念したDanse-Citeの特別企画第2弾。ここ10年の間Danse-Citeが上演した50あまりの作品から、芸術監督DANIEL SOULIERESが8作を選出。振付家たちはLOUISE BEDARD, SYLVAIN EMARD, JOSE NAVAS, DOMINIQUE PORTEといった人気の面々。そしてもうひとひねり、EMMANUEL JOUTHE, KHA NGUYENらパフォーマーが振付家(作品)を選択するのである。また、各作品公開当時の「オリジナル」パフォーマーたちがコンセプト伝達の監督者として創作に加わっている。まさに歴史と現在の出会い。Danse-Citeの企画はいつもながら奇抜だ。 |
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日 程:Tue.1.22.2002 - Sat.1.26.2002 8:00pm振 付:DULCINEE LANGFELDER 演 目:Victoria 写 真:Cylla von Tiedemann 劇 場:Centre Pierre-Peladeau 料 金:$35 ダンス、演劇、歌唱、マイムと芸幅の広いDULCINEE LANGFELDERが、作品 "Victoria"でそのあらゆるフォームによる表現力を披露。ヒロインVictoria。精神的・身体的に多くを失い、車椅子の生活を強いられている90歳。ある日、車椅子から抜け出し、交錯した想像の世界へと滑り込む…。 |
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以下、気の早い2月の公演のお知らせ。Festival Montreal en Lumiere。厳冬真っ只中の街を活気付けようというモントリオール市がしかける光の祭典。その枠内でMARIE CHOUINARDの2作品を再演する。劇場が la Place des Arts 内でチケット代はクラシックバレエ並みだが、振付家として活動し始めた頃コンテンポラリーダンス界の「恐るべき子供」と呼ばれた、カナダを代表するMARIE CHOUINARDの作品をぜひ多くの人に観て欲しい。 日 程:Fri.2.22.2002 - Sat.2.23.2002 8:00pm 振 付:MARIE CHOUINARD 演 目:"Tous asimuts" 劇 場:Theatre Maisonneuve, la Place des Arts; www.pda.qc.ca 料 金:$49.50, $42.50, $34.50, $25.50(+TAX) 日 程:Wed.2.20.2002 8:00pm 振 付:Les Grands Ballet canadiens de Montreal 演 目:La Dame de Pique 劇 場:Theatre Maisonneuve, la Place des Arts; www.pda.qc.ca 料 金:$58.74, $37.87, $20.48,子供 $16.14(+TAX) グラン・バレエ・カナディアンの "La Dame de Pique"も一日だけ再演。 |
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<観劇後感>
観 劇 日:Sat.12.1.2001カンパニー:Ballet Atlantique(フランス) 振 付:REGINE CHOPINOT 演 目:La Danse du temps 写 真:Tristan Vales / Enguerand 劇 場:Centre Pierre-Peladeau 「時」の観念を、人は視覚的にどう表現するだろう。空気のように私たちを取り巻き、ともすれば締めつける「時」。振付家REGINE CHOPINOTはリズムで時の流れを刻み、群舞のリピートで悠久性を強調した。一方、セットをデザインしたイギリスの彫刻家ANDY GOLDSWORTHYは「時」を河の流れに例えた。粘土のかたまりを組み合わせて作った画面は 「大地の河」("La Riviere de terre")と名付けられ、時とともに色あせ、ヘビの様相をした河がくっきりと浮かび上がる。REGINE CHOPINOT を含む14人のパフォーマーたち。すりあしで舞台を横切る。列から外れては舞台前方に背を向けて「体育座り」をする。いつしか1人、2人…と立ち上がり、今度は奥へ向かって軽く跳躍移動。スティーヴ・ライヒのパーカッションがビジュアル化したようだった。作曲家TON-THAT TIETは子供時代を過ごしたベトナムのメコン川にインスピレーションを受けたという。振付家、彫刻家、作曲家の3者が常に互いのワークについて対話しつつ進められたこの創作。赤土。枯渇。儀式…。観劇中、息苦しくなるほど強い感覚が私を覆っていたのだが、数週間たってもまだ混沌のイメージとして残っている。 |
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観 劇 日:Wed.11.28.2001(ワークショップ見学:Thr.11.29.2001)カンパニー: Kafig (フランス) 振 付:MOURAD MERZOUKI 演 目:Dix Versions 写 真:YUKO H. "Kafig Workshop" 劇 場:Usine C ストリートダンスが舞台に上がったとき、いったい何が起こるか。まずは異分野同士の出会いだ。舞台芸術界がセットや作品構成の意義をヒップホップの世界に問いかけ、ブレークダンスの所作やエネルギーが舞台芸術をより豊かな物にする。ヨーロッパはもちろん、香港までもツアーで足を伸ばしたヒップホップカンパニーKafig。分野を越えて、国を越えてのグローバリゼーションは、まさにアーティスティックディレクターMOURAD MERZOUKIの興味をひくところだ。アクロバティックな面がやはり一番注目させるところで、芸術性の高い舞台を見続けている私としてはセット面に物足りなさを感じた。エンターテイメントとしては十分だが、美的部分で弱く間が保てない。ただ、HAFID SOURの「関節はずし」(特に名前がないそうなので勝手に命名)ソロは別格だ。グループダンスが多い中のソロ、両肩の上を頭が左右へ行き来するさまは、幾何学的だった。後日ワークショップを見学することで、さらにヒップホップダンスの動きの豊富さや特徴を学んだ。例えば腕を水平に伸ばした状態で掌を直角に曲げる。何気ないようでいて、かなり体をいじめる動きだ。参加者はモダンダンスや演劇経験者が多く、ウォーミングアップの時点で四苦八苦する姿も見られた。いかに訓練・努力を要するダンスかが明確だった。カンパニーKafigの彼らはフレンドリーなノリを常に保ちつつ、エネルギーとパッションでもってそんなヒップホップダンスへの挑戦を続けている。 クレジット:表紙写真/Tristan Vales / Enguerand |
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取材・文:YUKO H. |
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