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広辞苑には『入れ墨:1、肌に文字・絵画などをほりつけること。先史時代から行われ、日本では近世にも流行。鳶などの職人や遊び人の間に行われた。2、顔または腕に墨汁を刺し入れて前科のしるしとしたもの。江戸時代には庶民の窃盗罪に対し、単独または追放・敲(たたき)に付加して行われた。』とある。このように遊びの一環としてもてはやされた時代もあるが、同時に刑罰のひとつとして使われていたこともあり、タトゥー(刺青)といっても色々な使われ方があり、一口にその意図を定義することはできない。 成格さんの横浜のスタジオには様々な人が刺青を入れてもらおうと訪れるが、彼が受け入れるお客さんはアートのひとつとしてタトゥーを入れたいという人のみ。また、成格さんの客層は幅広く、医者や高校の先生などといった普段の生活ではまさか刺青を入れているだろうとは思われにくい職業の人々も背中や腕に大きな刺青を入れに来るのだそうだ。もちろん、その場合、職場での服装では人目に触れないようにという気遣いはあるようだが。 奥さんの千聖さんも両腕に成格さんによる見事な刺青が施されている。もともとアパレル関係で働いていた彼女は、まさか自分が彫師と結婚して、タトゥーの世界にどっぷりはまるとは夢にも思っていなかったそうだ。やはり長時間の施術には痛みも伴い、発熱することもあるようだが、長い時間をかけて入れた刺青ほど仕上がってしまうと寂しくなり、また新しいものを入れたくなるとのこと。 アシスタントの高治さんの刺青は全身に及ぶもので、絵はひとつの物語となっている。背中に大きく描かれているのは、雷にうたれて下半身不随になった戦国時代の武将、立花道雪という人の一生で、この武将は高治さんと同じ九州出身、また、胸には彼の干支である辰、右足には鯉、左足には亀が彫られている。成格さんの作品であるこのタトゥーはミラノのタトゥーコンベンションでBlack and Grey部門で賞をとった。彼の刺青はまだ完成していなく、現在に至るまでに2年4ヶ月の年月、約150時間を費やして出来たもので、完成にはあと1年ぐらいかかる様子。 成格さんはもともとハーレーの機械技師として働いていたが、その傍ら人に頼まれながら刺青を入れていた。彼のタトゥー歴は10年、本格的にタトゥーアーティストとして活動を始めたのは2000年からで、現在は世界中のコンベンションに参加しながら、横浜のスタジオで仕事に専念している。 岩崎成格さんの黄炎刺青処のホームページ www.yellowblaze.net | |||||||||||||||||||||||
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取材・文:和田 良子 | |||||||||||||||||||||||
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