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Galerie Port-Maurice (2015/3/1)
ギャラリー
 今回のギャラリーレポートはGalerie Port-Mauriceからお送りします。

 先ず今回訪れたGalerie Port-Mauriceについてですが、これはSt-Léonard地区にある市立図書館Bibliothèque de Saint-Léonardの入り口のホールに設けられた市営の展示スペース。芸術・文化の民主化を目的として1979年に設立されたのち、1984年に現在の図書館のホールに移設されたそうです。

 さて気になる展示の方ですが、現在観ることができるのはSandra Lachanceによる「VIEUX JEU 」と言う写真展。Lachance2009年に3ヶ月間フランスのTourcoingで現地の施設に入っている高齢者とおこなったプロジェクトの写真11点から構成されており、参加者に昔の遊びを再現してもらった時の様子を垣間みることができます。

 正直なところ、この作品展をみて最初に感じたのは、3ヶ月を費やしてプロジェクトを行ったと言うわりに、写真に写る高齢者とLachanceの距離感が遠いと言う所でした。全ての写真に見受けられた訳では有りませんが、参加している高齢者の大半の表情が硬いと言うか、何だかちょっと違和感を感じている様な気がして、Lachanceが参加者と心を通わせて創りあげたプロジェクトと言うよりは、単なる傍観者として淡々と写真を撮っている感じが否めませんでした。日頃社会から隔離された生活を送っている施設のお年寄りをプロジェクトに参加させたのですから、もう少し心から遊びを楽しんでいるような心温まる表情が観たかった、と言うのが率直な意見です。また、この展示スペースの管理と言う点においても、作品を紹介する文章が一切置いていなかったり、壁に展示とは全く関係のない穴があいていた事、そして作品を照らすスポットライトが遠すぎて展示スペースが全体的に暗い事など様々な問題点が目につきました。しかりとしたプロ意識を持って、もっと作品に配慮したプレゼンテーションを心がけてもらいたいものです。

ギャラリー:Galerie Port-Maurice
所在地:8420, boulevard Lacordaire
スケジュール:月:13時〜21時 火〜木:10時〜21時 金:10時〜18時 土:10時〜17時 金:13時〜17時
メトロ:Crémazie
ウェブサイト:HP

文/Text:畑山理沙/Risa Hatayama
Photo: Courtesy of Galerie Port-Maurice