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Les Soeurs Grises(地ビールビストロ)
地ビールの季節!
(2020/7/1)
レストラン
店入り口。
今の時期だけのグレープフルーツのIPA。思ったよりコクがある。キンキンに冷えてないのもいい。
メキシコのブロンドビール。ビーチでサーファーが水代わりに飲んでいそうな軽快ビール。
店の定番地ビール。ミニのグラスで4種類のビールが試せるセットで、ハウスビールも試したい。
大型チェーンブリューワリーのメニューにしては優秀。臭う魚を食べない日本人には、これからの季節は気になるかもしれない。
ステップアップしたプティン!私ならスタウトと合わせるかな。
テーブル席、カウンター席、奥には特別席のようなものもあるらしい。
歩道に確保したテラス席はちょうどビルの陰に隠れて直射日光があたらず、涼しい風が通り抜けるのが魅力。端の席なら、犬同伴でもいけそう。
マギル通り沿いでSaint-Paul通りを過ぎた辺り。人通りも激しくなくゆったりすっきりしている。
 真夏のような暑さが続き、仕事中も生ビールのことばかり考えてしまう。すかっとした生ビールが飲みたい。地ビール文化が幅を利かせるモントリオールでは、新しいブラッスリーや新種の地ビールと出会えるチャンスにあふれている。ただ、今はまだ選択肢が限られるようだ。

 6月21日に飲食店は営業再開に踏み切っているけれど、実際積極的にオープンしているのは大きな資本力のあるレストラン中心だ。そこで選んだのが、Bistro-Brasserie Les Soeurs Grises。食事もできてオリジナルのビールも飲める。

 Les soeurs grisesはOld Port、Downtown、Griffintownが接する風通しのいい場所にある。広いマギル通りの突き当りに見える景色も好きだ。冬はロシアの文学小説のような気持ちになれるし、夏は人生ラクラクな気分にさせてくれる。猛暑が明けた日の午後1時半ごろに出かけた。予約をしなくても、歩道に設置されたテラス席は空いているようだ。セントローレンス川からの涼しい風が吹き抜け、大きなビルの陰にすっぽり収まり、パラソルがなくても気持ちよく過ごせる。

 お店のオリジナル定番ビール6種類は、次回ちょっと通りかかったときにでも試すことにして、今日は期間限定の地ビール5種類の中から選ぶ。アルコール度数8.2%なんてのもあれば、地ビールに熱くなれない人には4.5%のハウスシードルもある。

IPA Pamplemousse 5.9%(グレープフルーツのビール)$8
Pancho Villa 6.7%(メキシコのブロンドビール)$9

 この時期のせいなのか、日中用のフードメニューはあっさりしたもので10種類程度。パートナーはカモのハンバーガーと迷った挙句、ビールにはやっぱりフライだと言って

肉乗せプティン $18

私はサーモンのハンバーガーと迷ったのち、

サーモンのタルタル $19

 地ビールを味わうには、冷やし過ぎない方がいいと、かつてビール好きに聞いたことはある。本当にそれが理由かはわからないが、サーブされたのは少々ぬるめのビールだった。私はこのぐらいのほうが食べ物とも合う気がした。グレープフルーツのビールは、美味しいけれど期待したほどグレープフルーツ感はない。でも、苦味と爽やかさとコクのバランスがいい。メキシコのブロンドビールは、浜辺で飲みたい浅い感じのスムースなビール。食べ物と一緒でも、食べ物なしでもいけるだろう。

 サーモンのタルタルは、ビールが主役のブラッスリーのメニューにしては悪くない。かといって、出色というわけでもないが、次回以降の安全メニューとして取っておいてもいいと思う。さらについてきたフレンチフライがサクサクで美味しい。タルタルで1杯、この清潔な色のポテトでもう1種類ビールが飲めそうだ。

 プティンは、アップグレードしたプティンという感じ。たっぷりと乗ったお肉のトッピングとソースの味が、思ったより洗練されていて驚いた。バーやブラッスリーの食べ物の基準値は超えている。オフィス街の中に紛れるように、近年高層住宅がバンバン建つようなエリアでは、食事をしたい客層をしっかり意識しているようだ。ということは、これからメニューの内容もレベルも良い方向に向かう可能性を秘めている。

 とにもかくにも、長かった家飲み時代が終わった。頻繁に通ったSAQの警備員さんからは顔パスとなり、ランチもディナーもワインばかりだった時代も終わった。これからは地ビール。仕事を早めに切り上げて地ビールの季節!

Les Soeurs Grises(地ビールビストロ)
32 Rue McGill, Montreal
最寄り駅:Square Victoria


取材・文:稲吉京子