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レストラン
コンパクトでシンプル、清潔感のあるお店。店先の手作り感のあるテーブルで食べることもできる。
常に片付いているキッチンで、オーナーとアシスタントの女の子が丁寧にかつ手際よく注文したものを準備してくれる。
ハワイに通い詰めたというオーナーKaiさんのサーフィンやハワイへの思いが伝わる。
チキンのBanh me。パンと中身のバランス、味のハーモニーが他店の大きいBanh meよりもいい!と連れのコメント。
サーモンのPoke。誰が食べても楽しめる味。北アメリカの太巻きと通じるものがある。
ウナギのPoke。野菜の新鮮さとウナギ、ごはんの組み合わせが食欲を増進させる。キムチや枝豆がちょっとずつはいっているのがまたいい。
さっぱりすっきりしたカウンター席。
ポークのBanh me。実際食べると、中身が充実しているのがわかる。
エビのスプリングロール。生野菜が好きな人には悪くないが、エビを感じなかった。何かもう一声ほしい。
 Côte-des-neiges駅を出たところに、果物や野菜のミニマーケットがある。夏だけの営業だが、年を経るごとに様子が充実してきて、今年は24時間営業になっていた。すべての野菜果物が良いわけではないが、健全なマンゴを買いたいときはここと決めている。ハズレがほとんどない。以前は、有機、無農薬、通常栽培にかかわらず、買ったマンゴを家で切ってみると中が黒ずんでいたり、線維化が進んでいたりする経験が頻繁にあり、マンゴを買うのが嫌になった年もある。

 今日はマンゴを9個買った。去年までならすぐ隣にあるBistro Olivieriで何かを食べていくのだが、パンデミックの影響の中、閉店してしまった。この爽やかな時期を無駄にしまいと、近所をウロウロしてみる。すぐに見つかったのがPOKA'I。Poke丼(ハワイ語:ポケ。英語ではポキの音に近い)のお店のようだ。ハワイ以外でPokeを食べたことはない。モントリオールでは、いたるところでポケ・ボウルを見かけるようになったし、試してみてもいい。お店の外観は小さくて質素な感じだけれど、Go!な感じがする。ただ、玄関のガラス窓に「持ち帰り、配達受付」のような表示がある。ここもお持ち帰り専用店になっったうちの1軒かと思ったが、清潔感に誘われて中に入ってみることにした。ほとんどのお客さんが持ち帰りを好むが、イートインもできるという。 壁にかかっている大きなメニューを見ると、メインはポケ・ボウルとBanh mi(バインミー:ベトナムのサンドイッチ)。なるほど、英語もフランス語もネイティブだが、大きなマスクから覗いたオーナーの優しい目と勤勉な態度からベトナム系であることはわかる。サーフボードが壁に飾られている。サーフィンするの?と当然聞いてしまう。オーナーのKaiさんは、サンフランシスコのオフィスで働いた当時、サーフィンのためによくハワイに通ったという。それでPOKA'I。

 さて、ハワイ以外で食べる初のポケ・ボウル。乗せるメインの具の選択肢は、サーモン、マグロ、ウナギ、チキン、エビ、エビ天、パン粉のエビフライ、豆腐。残りの具は全ボウル共通で、ベビーリーフ、マンゴ、リンゴ、海藻、キムチ、アボカド、枝豆、卵、ニンジン、ネギ、自家製Pokeソース。それが選んだメインの具と一緒に白米の上にたっぷり乗って出てくる。頼んだのは以下4点。

● ウナギのPoke $14
● サーモンのPoke  $14
● チキンのBanh me $5.50
● ポークのBanh me $5.50
● エビのスプリングロール $6.50

 ハワイで食べたのは王道のポケで、新鮮なアヒ(キハダマグロ)の切り身を、ごま油や醤油などと良くなじませ、海藻、ネギ、卵焼き、レタスなどと一緒にご飯の上に乗せたもをの食べた。美味しかったが、自分で作ったマグロの漬け丼のファストフード版みたいだな、と思った記憶がある。そこで、今回は意外なウナギを頼んでみた。

 当然、日本のうな重のようなウナギではないが、一緒に乗っている爽やかな具とテリヤキ風のウナギの相性がいい。少しだけ辛いソースをかけてもらって、ざっくりとご飯と混ぜ合わせて食べる。ひと匙すくう度に、いろんな具の組み合わせができるから口の中が飽きない。あっという間に完食。

 サーモンのPokeは、みんなが好きな北アメリカの太巻きに共通する美味しさ。持ち帰り用に注文するお客さんはサーモンかマグロが多いようだ。サーモン好きの私の連れは大満足。ただこれだけでは足りない。

 そこで、ベトナムのサンドイッチBanh me。実は、何年か前に味気なく大きく膨らんだパンに、貧相な具が挟まれたBanh meを他店で食べてから、あのぱさぱさ感が苦手になって敬遠していた。POKA'IのBanh meは違った。パンは程よく引き締まり、具材それぞれの味が感じられ、それでいて自家製ソースのせいなのか、挟んだ具全体にまとまりがある。チキンもポークも、一度加工されて形成し直した肉ではなく、本物の肉を使っている。2つとも美味しく平らげた連れによると、ポークのBanh meが、よりベトナムっぽいという感想だ。

 スプリングロール(生春巻き)はぼんやりした印象。サラダ感覚で食べれば美味しいが、わざわざここまで来て注文する意義は感じなかった。

 ふらっと店内に入ったのがちょうどお昼時。持ち帰りのPokeやBanh meを買っていくお客さんが文字通り途切れない。店の外にあるちょっと面白いテーブルで食べていく人もいる。ほとんどがリピート客、その中にはSushiを頼もうとしていたおじいちゃんもいた。Kaiさんが、パンデミック以来、Sushiは控えていると告げると、whyを繰り返しかなり落胆した様子。そこで、Sushiっぽい感じにPokeをアレンジしてあげますよと言うKaiさん。顔なじみになれば、そんなお願いも聞いてくれる地元の愛されるスポットのようだ。

POKA'I(ポケ・ベトナム料理)
5147 Chemin de la Côte-des-Neiges
最寄り駅:Côte-des-Neiges


取材・文:稲吉京子