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La Capital Tacos(タコス)
もう少し夏の余韻を楽しみたい人々のために。
(2021/9/15)
レストラン
営業時間帯はこのガラス扉が開放され、夜は明かりを上手く使い中南米の食堂っぽさを醸し出す。飾らないのにどこか雰囲気がある。
安全牌として頼んだワカモレ。自家製のトルティージャですくってバリバリやっていると、なんとも楽観的な気分になれる。
メキシコでは豚の皮をカリっと揚げたものがチチャロン。この店では、チーズを和えてメガホン状に揚げてある。
ポークのコンフィのタコス。柔らかく予想範囲内の味付けでマイルド。
ポテトと大豆由来のチョリソーのビーガン対応のケサディージャ。ビーガン用のメニューは他にも2、3種類ある。
マリネしたポークのタコス。しっかり味が好きな人に。
コンパクトな店だけれど、狭さや通り抜けにくさなどを感じさせない。お客さんの回転もよい。
店内の落ち着いた雰囲気もいいが、この季節はやっぱり外のテラス席で風に吹かれたい。
 ダウンタウンでアポがある。大きなデモ行進があり、あちこちで通行止めが発生。車は迂回ばかりさせられ、目的地に一向に近づけない。途中で車を乗り捨て、歩いて目的地までいく羽目になった。アポには少し遅れたがなんとか用事は済んだ。と思ったら、雨が降り出す。Vieux Portの外れに停めた車まで戻るのに、25分はかかるだろう。服が湿気で重くなり出した頃、チャイナタウンに差しかかった。 連れが、「そうだ、チャイナタウンに新しいメキシコ料理店があるんだ!」と言い出す。この辺に立ち寄ってみたい店が...なんてタイミングよく言ったことのない彼の言葉だけに信じ難い。チャイナタウンにメキシコ料理!?。どうせ、通りの名前の聞き間違いだろうと思ったが、とにかく連れの後についてくと、あった!チャイナタウンでも一番目立つSt-Laurent通りに、Tacosのネオンがぶら下がっている。濡れて寒いし、サッカー仲間のメキシコ人のおすすめだというコメントも後押して、とにかく店に入ることに。

 ぶしつけだとは思ったが、ウェイターの男の子にオーナーはメキシコ人?中国人?と聞いてみる。メキシコ人だという。近くのLe Centralにブリトーを出す姉妹店もあるらしい。この男の子のオススメを聞いてから、以下をオーダーしてみた。

■前菜
チチャロン $7
ワカモレ+トルティージャ $7

■メイン
タコス Al Pastor$13
タコス Carnitas$12
ケサディージャ Choripapas$7(ビーガン)

 早速チチャロンとワカモレが出てきた。チチャロンはコロンビアでも有名な地元料理だが、そのチチャロンとは全く違うものが登場してびっくり。メガホンのようなそれはなんですか?と聞いてみると、メキシコではポークの皮を揚げたものをチチャロンと呼ぶらしい。このお店ではチーズを混ぜているので濃厚なチップスのような感じ。ビールを飲む人達にはウケるんだとか。 ワカモレとトルティージャは知っている味で安心した。私はもう少し塩を控えて、ライムを効かせてもいいなと思う。

 ウェイターの男の子が勧めてくれたタコス2種類はまずまず。Al Pastorはマリネしたポークをコリアンダー、焼きパイナップル、玉ねぎなどと一緒に丸いタコスに包んで食べる。味も歯応えもしっかり系。別の小皿で付いてくるハラペーニョソースは、香りはとてもいいが、かなりホットなので要注意。 Carnitasのタコスは、ポークのコンフィにコリアンダーやラディッシュを包んで食べる。こちらはふんわり柔らかく誰でも好きな味。因みに、コリアンダーの味や香りはほとんどしない。 私が一番しっくりきたのは、ビーガンメニューのケサディージャ。ポテトと大豆由来のチョリソーの炒め煮を紫キャベツなどと合わせて、二つ折りになったコーンの皮に挟んで焼いてある。全体にまとまりがあって優しい味。

 メキシコ本国で食べるタコスの美味しさとは比べられないが、La Capital Tacosの魅力は全体のバランスだ。立地が良く、メトロでもバスでも歩きでもBixiでもアクセスがいい。建物自体の古さをレトロ感でカバーし、ガラス戸が大きく開け放されるため、店内と外の隔たりを感じさせない。通り沿いに今だけのテラス席も設置され、チャイナタウン特有のレストランが苦手な人でも、週末の昼間ならちょっと寄る気にさせる陽気な雰囲気がある。メニューもこざっぱりして迷わせないし、サービスも速い。今のところ、昼間の営業は週末だけだが、夜は週中でも夜中近くまで営業している。もう少し夏の余韻を楽しみたい人々のために。

La Capital Tacos(タコス)
1096 Blvd. St. Laurent
最寄り駅:Place d'Armes / St-Laurent


取材・文:稲吉京子