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レストラン
Saint-Laurent通り沿いの入り口。Saint-Catharine通りにも小さめの入り口がある。すっかり小ぎれいになった界隈。
私が頼んだホタテのタルタル。トルティーヤチップスやサラダに一工夫ほしい。
タジンで料理した具を使ったピタサンドのコンボ。ピタサンドなんてどこでも食べられるのに、やっぱりいつもの食べ物を頼んでしまう友人。でも、ワンランク違う味らしい。
マサラ・ドーサ。付いてくるココナッツチャツネ、サンバールもまともだ。たいてい、ドーサの中央にしか中身は入っていないものだけれど、ここのは結構詰まっていた。
ムンバイのリクシャー運転手の常食だというWada Pav。ナショナリティを感じさせない庶民派の美味しさ。ナッツのソースも面白い。
タルタルが得意なバー・レストランMignonette。一杯飲んでからオペラへ、バレエへという立ち寄り所としてはいいかもしれない。
「マラケッシュへの扉」という意味のBAB KECH、モロッコ料理のお店。日本のラーメン屋さんの向かいに位置する。
食事用のテーブルは、各店の専用のものもあるが、どこにでも移動して好きな雰囲気やコーナーを選んで席を確保できるのもいい。エリアごとに違った雰囲気がある。
インドスナックバー。夕方5時からのオープンなので、それまではひっそりしている。
 諸々の諸事情で友人におごることになったが、食べ物の好みがまったく合わない。普段どんな場所で食べるのか聞いているうちに、フードコートというキーワードが上がった。通常のフードコートでは食べるものに困る私、ひらめいたのがLe Centralのソリューション。

 St-Catherine通りとSt-Laurent通りの角にある黒いビルのグラウンドフロアにLe Centralはある。フードコートのスタイルで、入っている店がファストフード系ではなく、レストラン系が中心だ。つまり、Tiki MingやBashaはない。バスク料理で有名なPintxo、ローマスタイルのピザが人気のMORSO Pizzériaなどが入ってる。ここなら、友人が好きそうなものもあり、私が食べたいと思えるものもある。いろんな店からちょっとづつ頼んだっていい。

Quartier des spectaclesで待ち合わせし、一緒にビルに向かう。ビルの入口でVaxiCode(ワクチン接種の証明アプリ)とIDをチェックされて、奥に進む。

Le Centralは、通常のフードコートによくある、全カウンターが一堂に会しているオープンスペースではなく、中心部に向かって小道を進むようなちょっとした演出があり、何があるかな〜という気分が盛り上がる。あるのはレストランだけでなく、チュロスのお店や、ハンドメイドのドーナツ屋さんといったデザート系、日本のラーメンや中国のフライドチキンなどのアジア屋台系まである。

全体をぐるっとチェックした後、友人はモロッコ料理のBAB KECHから
●タジン・ピタ・コンボ(牛肉)$15

私は魚介やタルタル料理を出すバー・レストランのMignonetteから
●ホタテのタルタルプレート $23

それだけでは足りなかった二人は、インドのスナックバーLe Souper Qualitéから
●ワダ・バーヴ(Wada Pav)$7
●マサラ・ドーサ $12

をのちに頼むことになる。

 友人のタジン・ピタ・コンボは、本当にタジンで料理しているせいなのか、えらく待たされた。出てきたものを見ると、彼が普段よく食べるAmireやBoustanのピタサンドとそんなに変わらないように見える。 ところが、アラブ系ファストフードのエキスパートは、このピタサンドを褒め称えた。何が違いの決め手だと思う?と聞くと、風味が違う、深い、のだそうだ。やっぱりタジンで料理しているものは違うのかもしれない。確かに、中に巻き込んである野菜もお肉もワンランク上だという印象は伝わってくる。ただ残念だったのは、店主が不機嫌過ぎ。

 Mignonetteのホタテのタルタルは、ワインバーの料理らしく、ワインを引き立てる(飲みたくなる)美味しさに仕上げてある。量はかなり少量で洗練さに欠ける感あり。付け合わせはトルティーヤチップスじゃなく、もう少し意味のあるものを添えたら、値段の割に...という不満は和らぐかもしれない。美味しいが、全体的に見ると、Pintxoで頼んでおけばよかった、と思う人もいるだろう。

 タルタルの一皿の量が、東京の一流フレンチ並みだったので、ビルの出入り口にひっそり構えていたインド料理の軽食スタンドLe Souper Qualitéに寄ってしまった。 ワダ・バーヴ(Wada Pav)$7は、「ムンバイのリクシャー運転手みんなに愛される」という冠付きのコロッケサンド。スナックバーらしい一品で見た目も味もいい。Quartier des spectaclesのコンサートの帰りに寄りたくなる特別感、お祭り感がある。 マサラ・ドーサ $12は、スナックというより1食になるボリュームで、一般的なドーサと比べてドーサの中身が端の方まで入っている点に感動した。インド人の若夫婦がジャージ姿で黙々と食べている様子もなんだかいい。

 Le Centralは、昼間からオープンしている店もあり、シーズンや曜日によっては夜11時まで営業している。好みがいろいろのグループや同僚たちとの打ち上げや、複数店からテイクアウトして家パーティーにも使えるし、総合的に好感度は高い。Covidで家族を失って肩を落としている友人も、少しは気が紛れたようだ。

 Le Centralがある場所は、かつては怪しげな一角だった。夜は独りでここをうろつかない方がいい、とジャン=フランソワに言われたことがある。夜の女性たちの仕事場でもあり、トラブルが絶えない場所だったという。 今では、夜中近くに犬を連れて、独りバブルティーを飲んでいてもまったく違和感はない。後は、この界隈にSpectaclesが戻ってくるのを待つだけだ。

Le Central(フードコート)
30 Sainte-Catherine West
最寄り駅:Saint-Laurent


取材・文:稲吉京子