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第2回は広兼ちとせ(ひろかねちとせ)さん (2001/3/15)
アーティスト
アーティスト:広兼ちとせ(ひろかねちとせ)

 私が「お習字」を始めたのは7歳の時です。いわゆる半紙に文字を書く「お習字」。現在のような細い筆でにょろにょろと書いていく「かな」を始めたのは中学校に入ってから。デザイン会社に勤めてた期間を除いて、お習字は続けていました。体の調子をくずして会社を辞めた後、幸運にも神戸の書道団体の研究生として勉強するチャンスを与えられ、現在のようなスタイルで、半紙より大きな紙に書くことを勉強してきました。

 ワーホリでカナダに行きたいと思ってから、実現するまで5年ぐらいあり、その間もお習字は続けていたわけですが 、どちらかといえば、外国で暮らしてみたいという想いの方が強かったその時点では、日本での勉強を中断してカナダに行って、そこに何があるのか?そうまでして行く意味はあるのか?でも、行ってみたい。ワーホリは年齢制限があって、そろそろ申請できなくなる〜!でもでも、、、。 といった事をぐるぐると考え続けていたのです。結局は、あとで後悔したくない!という一心でやってきました。こちらに到着するまでに、「モントリオールにある和紙等を扱うお店がワークショップも開いているからそこで何かさせてもらえないか聞いてみたら?」と、友達から情報をもらい、いままで勉強してきた書道が役に立ってくれたら 、という考えで、作品のファイルなども持ってきました。

 日本では、特に伝統芸能(?)の分野で、勝手に個展を開くという事もなかなかしにくい状態ですが、こちらだと気にせずチャレンジして、作品を見てもらうことができるかもしれない。が、、、。言葉の問題が。それにここはモントリオール。フランス語があふれているし。結局10月末に到着してから言葉の勉強をしてる現在です。初めの意気込みはだんだんとしぼみつつあり、受身にな っている自分に気がつきました。

 3月で今の生活にも一段落付け、次の行動に移りたいと思っています。専門学校でグラフィックデザインを勉強していたので、紙に書く「お習字」だけでなく、もっとデザインの中にある「書」や、立体的なものとか作れないかしら。毎日の生活にゆとりのあるこちらで、新しい事にも挑戦してみたい。

 夢だけはたくさんある。前向きに、、、ね!

作品・文:広兼ちとせ
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