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Vidéographe (2018/5/1)
ギャラリー
 例年になく長い冬が終わりを告げ、ようやく遅い春の訪れを感じられるようになった今日この頃。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 暖かい日差しを背に受けて今回足を運んだのはVilleray-Saint-Michel-Parc-Extension地区に今年の2月にオープンしたばかりのMaison de la culture Claude-Léveillée。モントリオール市がこの地区に設立を公約してから四半世紀を経て、ようやく誕生した待望のMaison de la cultureです。Centre Jean-Marie Gauvreauという、昔の学校の建物の地上階に作られ、各種アートの展示スペースや文化的仲介 (cultural mediation)用の部屋などで構成されています。「Claude-Léveillée」という名前ですが、これはVilleray地区出身で、2011年に亡くなった音楽家であり役者でもあったClaude Léveilléeに因んで名付けられました。ギャラリーの入り口近くにはピアノとコンピュータースクリーンが連動するインタラクティブな装置が置かれており、決まったピアノのキーを指で押すとClaude Léveilléeの略歴がスクリーンに映し出される工夫がされています。

 さて、気になる展示の方ですが、現在ギャラリースペースでは創立記念展として『Le musée s’expose. Regards sur les collections du Musée d’art de Joliette』という展示が開かれており、Joliette市にあるMusée d’art de Jolietteの所蔵品8500点の中から借り受けた50点余りを見ることができます。この展示ではAuguste Rodinの『Tête de saint Jean-Baptiste sur un plat (1887)』を始め、Emery Carrの『Strait of Juan de Fuca (1932-36)』、Kiki Smithの『Sueño (1992)』やEd Pienの『The Blue Garden (2010)』など、国内外の様々なアーティストの作品が所狭しと展示されていました。個人的には名の通ったアーティストの作品ではなく、キリストの像など作者不明の文化遺物の展示方法が印象に残りました。触る事が出来ないようにケースに入れられているという点はごく普通なのですが、遺物を運搬用のウレタンスポンジごとケースに入れて見せるという発想が新鮮で、美術館や博物館の裏舞台をそのまま展示として見せるといった意図も感じ取ることができました。

 残念なことに今回は著作権などの問題があり、展示室での写真撮影が厳禁されていたため、皆さんに展示の様子をお見せできないのがとても残念です。興味のある方は実際に足を運んでみることをお勧めします!

ギャラリー:Maison de la culture Claude-Léveillée
所在地:911, rue Jean-Talon Est
スケジュール:月〜火:閉館 水〜金:12時〜19時 土〜日:13時〜17時
メトロ:Jean Talon
ウェブサイト:HP

文・写真/Text & Photo:畑山理沙/Risa Hatayama
Photo: With kind permission from DHC/ART