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数ある会場の中で今回足を運んでみたのは、VOX, centre de l’image contemporaine で開かれている「 The Absurd as Counter-Narrative of the Object」と「Still Life in an Age of Environmental Crisis」をサブテーマとした展示。カナダ国内からは Elisabeth Belliveau, Bridget Moser, Meagan Musseau, Juan Ortiz-Apuy。英国からはMaeve BrennanとFelicity Hammond 。スイスからはPeter FischliとDavid Weiss 。オランダからAnouk Kruithof 、そしてロシアから Taus Makhacheva Russieと多国籍のアーティストの作品を堪能できる趣向となっています。
個人的に特に印象に残ったのはJuan Ortiz-Apuyの「The Garden of Earthly Delights」と、Bridget Moserの「Every Room is a Waiting Room Part 1」というビデオ作品です。
まず、Ortiz-Apuyの「The Garden of Earthly Delights」の方ですが、これはYoutubeからダウンロードした、自分が購入したものを箱から出し、触れているところを視聴者に見せるといった趣旨の「平凡なビデオ」をコラージュして製作された作品です。この手のビデオは一般的に あまり面白みがないように見えます。ただ単に「人の物質欲の表れ」としてだけでなく、「ビデオをアップロードした側と、その視聴者とのオンライン上の交流の起点になる」という観点から見ると、社会的な役割も有るのかと思えてくる興味深い作品でした。
もう一方のMoserの「Every Room is a Waiting Room Part 1」ですが、強いて例えるならば、死にたくなるほど退屈した女性が、青とピンクのパステルカラーの自宅で奇行に走るといった感じのパフォーマンスビデオです。率直なところ何が何だかよく解らないけれど、その奇怪さとコミカルさが興味をそそり、ついつい最後まで見てしまう不思議な作品でした。
なお、VOXでひらかれているこの展示、実はダブルのテーマ展示となっており、もう一つの方はGalerie de l’UQAMの方で「Cultural Objects and Material Culture」と「Thingified Beings or Humanized Objects」というサブテーマのもとに開かれています。12人の全く別のアーティストの作品から構成されてので、こちらの方も是非足を運んでみてください。
MOMENTAの詳しい情報はこちらから: https://www.momentabiennale.com/
ギャラリー:VOX, centre de l'image contemporaine
所在地:2 rue Sainte-Catherine Est, espace 401
スケジュール(MOMENTA期間中):火〜金:12時〜18時 土・日:11時〜17時
メトロ:Saint-Laurent
ウェブサイト:HP
文/Text:畑山理沙/Risa Hatayama