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Ritual Designs
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Ritual Designs (Sandra Chirico & Karen Simpson)
 ゴシックファッションについて、ご存知だろうか?日本では、ゴシック&ロリータファッションというように、2つの異なるスタイルをひとつにまとめて分類されることが多い。しかし、モントリオールでは、ゴシックファッションはひとつの独立したファッションとして認められており、通りやメトロなどで、全身ゴシックスタイルで身を包んだ人々を見かけることも珍しくない。去る9月3日「Love & the MACHINE」というイベントの中で、モントリオールのゴシックブランド、Ritual DesignsによるファッションショーがSAT (Société des arts technologiques, 1195 St. Laurent)で行われた。

 Gothic(ゴシック)という言葉は、中世ヨーロッパの12〜16世紀の建築様式を指し、キリスト教における地上における神の国の実現を意味する。現在のゴシックファッションは、ゴシックという本来の言葉の意味と、「吸血鬼ドラキュラ」(B.ストーカー著)などの人の心の闇を表現した小説をもとにしていることもあって、キリスト教や吸血鬼を連想させる十字架は必須アイテムのひとつとなっている。また、ゴシックという言葉が生まれたとされる中世ヨーロッパでは、その頃からウエストを細く絞った裾の長いドレスが女性の間で浸透しており、その名残として、コルセットは現代のゴシックファッションの象徴とされている。

 コルセットクイーンと称されるRitual Designsは、モントリオール出身のSandra ChiricoさんとKaren Simpsonさんの2人のデザイナーによって、2000年に生まれた。2人とも、モントリオールのLaSalle Collegeでファッションを勉強し、その後ファッション産業で働くが、何か物足りなさを感じ、独自のブランドを立ち上げた。

 ゴシックファッションの中でも、特に彼女たちの得意とするのは、コルセット。本来、ウエストを細く見せ、体のラインを強調させるために生まれた中世のコルセットは、肺の部分に圧迫感があるものだったそうだ。しかし、Ritual Designsの作るコルセットは、ウエストの余分な肉が下に押され、内臓が肋骨の骨組みあたりまで持ち上げられるため、ウエストを驚くほど細く見せる上、肋骨の骨組みの寸法をもとにデザインするため、ウエストのサイズが変わっても同じサイズのコルセットが着用できるそうだ。そのうえ、ウエストを絞ることから、かなりの苦痛を感じるように思われがちだが、コルセットの装着はまったく痛いものではないらしい。コルセットの価格は、$160から$450までと幅広い設定だが、きちんと扱えば5年から10年は持つとのこと。

 ゴシックファッションというと、全身黒で覆われた装いを想像しがちだが、今回のファッションショーでは、コルセットはもちろんのこと、従来のゴシックアイテムの中にエレガントさが追求された仕上がりだった。しかし、ゴシックファッションは、あくまでも一般の人々を対象としているのではなく、通称ゴスともいわれる特定の人々の間で好まれるファッションである。

取材・文:和田 良子

Sandra Chirico
Karen Simpson