昨年に引き続き2度目の参加となるaya et ryoko。おばあさんの着物の残り布を使い、鞄作りを始めたブランドだが、今回は主に手のひらサイズのがま口を発表していた。着物の生地は幅がほぼ全て35センチである上、残り布で作っているため大きさや生地に限りがある。鞄にするには小さすぎるが、お財布を作るにはちょうど良い、かわいい模様の生地を沢山見つけたため、今回はがま口を多く作ってみることにしたそうだ。着物の生地について知っていなければ、そうとわからないような生地もあるが、一言「すべて着物の生地を使ったお財布です」と言うだけで人の見る目が変わるというのが面白い。
2005年のクリスマス映画のひとつに「Memory of Geisha」がある。日本人の私たちから見れば、役者の多くが日本人でないアジア人俳優というキャスティングに違和感を覚えるかもしれない。日本文化をきちんと伝えるには、やはり日本人であるわれわれが草の根レベルで文化交流することが一番望ましいように思う。ファッションやアートを通じてさまざまな文化が行き来するモントリオールで、着物でできた小物が日本とカナダの架け橋となることを願いたい。