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--- dring dringの設立から現在まで
「自転車の鈴のペイント、dring dringの仕事を始めるまでは、環境デザイン関連の仕事をしていたため、ペイントなどに関する知識はまったくありませんでした。自分でペイントについて調べ、さまざまなペイントを研究しました。まず、自分の会社を設立するにあたりSAJE(www.sajemontrealmetro.com:政府の組織する団体)のビジネスサポートに申し込み、ビジネスプランを立てました。それに約3ヶ月費やし、それから『One Of Our Kind Show』というクラフトフェアに2004年の夏、初めて参加しました。そこで200個の自転車鈴を販売したのですが、フェアが終わるまでに完売してしまいました。その後、『Festival Montreal en arts』、『Westmount Artisans'Festival』、『Souk@SAT』などのイベントに出展しながら、モントリオールのお店にも自転車の鈴を置いてもらっています。また、今は私のアトリエでも直接dring dringの商品を販売しています。ふと気がつくと、会社を設立してからまだ一年半しか経っていません。自分のビジネスを始めるというと、なんだかとても月日がかかりそうに聞こえますが、本人の意思さえあれば1年でビジネスは始められると思います。」
--- 自転車の鈴のペイントについて
「一見簡単なペイントのように見えますが、実はペイントをしてから乾かし、それからオーブンで焼いています。一色ずつこの工程をたどるので、鈴のペイント数が多くなればなるほど手間はかかります。このように一色ずつオーブンで焼くことにより、傷がつく程度のことではペイントがはがれることはありません。鈴のベースの色はパウダーペイントを、絵柄には水性のリキッドペイントを使っています。これらのペイントはどちらも環境にやさしいものを使用しています。これまでにデザインした鈴の数は100種類以上にもなると思います。」
--- dring dringで取り扱っている商品について
「この仕事を始めたとき、自転車の鈴を卸売りしてくれる会社を北米で探したのですが見つからなかったため、鈴は中国から輸入しています。もともと、dring dringは自転車の鈴のペイントのみをしていたのですが、今年から折りたたみ式自転車の販売も始めました。これらの商品は中国からコンテイナーで輸入しているので、この自転車に関しては、dring dringがその販売業者ということになります。ペイントはこちらが指定した色を中国で塗装しています。鈴のように自転車にペイントのデザインをするには、ペイント後にオーブンで焼かなくてはいけないので、自転車の場合、ちょっと不可能な作業なのです。今年の夏から販売を始めたこの折りたたみ式の自転車ですが、一人乗りと二人乗り用があり、これまでに80台以上売れました。小さい子供のいる方に二人乗り自転車はとても人気です。これらの自転車は車輪があまり大きいものではないので、長距離向きではありませんが、モントリオールの市内を走るのには最適な大きさです。ただ、身長の高い男性の方には車輪が小さすぎることもあるのですが、アジア人の女性にはぴったりのサイズだと思います。」
--- 今後の活動について
「自転車は夏が本場の商品です。去年の冬は今年の夏の商品の準備などをしていました。今後のdring dringの活動に関しては、いくつかアイデアはあるのですが今のところはまだ秘密・・・。でも、具体的な案はあるので、お楽しみに。」
モントリオールの夏を過ごすからには、自転車は必需品。この折りたたみ式の自転車は中国から輸入していることもあり、サイズもアジア人向けだそう。自転車の鈴をリンリン鳴らしながら、モントリオールの町を散策するのは、いい気分転換になるのでは・・・。
取材・文:和田 良子